2018年10月2日 公開日

常にファンと向き合ってきた男! OVERDRIVE代表 bamboo氏にインタビュー!

OVERDRIVE milktub bamboo インタビュー

代表作の『キラ☆キラ』を始め、バンドと美少女ゲームを融合させた作品を
世に送りだしてきたbamboo氏。
その活躍はゲーム開発だけにとどまらず、音楽ユニット『milktub』としての
アーティスト活動やスタジオ経営など多岐に渡る。
現在は、クラウドファンディングプラットフォームのCAMPFIREに顧問として参加している。
そんなbamboo氏の経歴をたどりながら、多彩な分野で成功する秘訣を伺った。
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『グリーングリーンの新作』を作りながらキッチンガイズファクトリーを設立しました。 その時に5カ年計画があって──

────お忙しい中、取材させていただきありがとうございます。
最近ではクラウドファンディングでも注目のbamboo氏ですが
それ以外の部分も掘り下げながらお話を伺おうと思います。
まず、美少女ゲームに関わるようになったのはいつからでしょうか?

bamboo:美少女ゲームブランドの戯画さんが開発していた『V.G. Adventure』(※1)
というゲームがあって、その主題歌をmilktubで作りました。
まだプロとしての経験はなかったのですが
宅録で自分の部屋にマイクを立てて収録しましたね。
その時に作った曲が『Fu-kin Hi-kin Every day』。

また、同じくらいの時期に『ボディハッカー』(※2)というゲームの
主題歌も制作しました。こちらがキャリアスタートです。

それからフロントウイングさんの『カナリア~この想いを歌に乗せて~(以下:カナリア)』
のディレクターを担当することになります。
『カナリア』はバンドをテーマにしていて、ゲーム制作とバンドのことが
分かるクリエイターということで、僕に白羽の矢が立ちました。

自分がエロゲーを作るとなった時に『To Heart』をプレイしてみたら
布団を抱きながら号泣してしまって。
もう「マルチー!!」ってキャラの名前を言いながら(笑)
それから、エロゲーも面白いと思うようになりましたね。

ちょうどこの時期は、今でもバリバリに活躍している美少女ゲームメーカーが
産声をあげつつあった時代でもありました。
そういった時期にここ(業界)にいたのはとてもよかったと思います。



────OVERDRIVE設立となった経緯を教えてもらえますか?

bamboo:当時は『グリーングリーン』を開発したチームにいたんですけど
独立して音楽の会社を作ろうと思っていました。

僕は退社したんですけど、前の会社のスタッフが僕のところへ来て色々な話をして
それから一緒に『グリーングリーンの新作』を作ることにしました。

開発当初は『グリーングリーン』に2と3を作る予定はなかったんですけど
当時『バタリアン』(※3)という映画が4と5を同時に作っていると聞いて。
世界観が一緒でもユーザーは楽しめる、それに予算を抑えながら
作れるんじゃないかなと考えたんです。
そういった経緯で、浅草橋にあるマンションの六畳二間で『グリーングリーン2』の
制作を始めました。

僕自身は『グリーングリーンの新作』を作りながら
キッチンガイズファクトリーを設立しました。
その時に5カ年計画があって──

1年目で独立をした際にチームを編成して、2年目で作品を納期通りに完成させるチームを作る。
3年目で自社オリジナルのIPを作って、4年目で代表作を出す。
5年目はその売り上げで食っていければいいな、と考えていました。

その頃『ガッデーム&ジュテーム』(※3)という作品を製作する関係で
CIRCUSさんの社内にキッチンガイズファクトリーの
支社を置かせてもらっていたんです(笑)
CIRCUSさんには流通会社のカーニバルさんもあったので
連携してお仕事ができればと考えていました。
そういった計画を立てつつ、グリーングリーンの2と3を製作した後に
OVERDRIVEを立ち上げました。


────美少女ゲームに関わる前は何をされていたのですか?

bamboo:玩具やゲームのプランナーをやってましたね。
僕の師匠にあたる松山さん(元・黒夢のサポートドラム)に
「バンドって売れている時はいいんだけど、売れなくなってからの方が
人生長いから手に職つけておけ」と言われたので、バンダイさんの下請のデザイン会社で
2、3年プランナーをやっていました。
『グリーングリーン』の新作を作る際は、プランナー時代の先輩にも助けてもらいましたね。



────グッズ制作や今のアパレルを始めたきっかけは?

bamboo:バンドをやっていたので、バンドのTシャツとかは出していたんです。
その延長で、キャラグッズで、デザイン性のあるものを作ろうと思いました。
街中でも普通に着れて、その作品やキャラを知っている人が見ると
ニヤっとできるようなデザインで作っています。

それに、原画家にグッズ製作用の絵をお願いすると、現場の手を止めてしまうじゃないですか。
それで延期したら元も子もないですからね。
なので、現場の手を止めず、グッズを欲しがるファンに、質のいいものを作りたい。
それでゲームの劇中に出てきたシンボリックな物でアパレルを作ったら評判が良くて
それがアパレルを始めたきっかけですね。

服に関しては、自分が着るから質にはこだわりたい。
「ファンに俺が着る服をおすそ分けする」というスタンスです。

当時から、自分たちで作っていたバンド系のmilktubとかのTシャツは
結構売れていたので、これをゲームの方にもスライドさせれば
いいんじゃないかというのが『キラ☆キラ』の発想の原点の一つです。


(※1)『V.G. Adventure』
2000年3月に戯画から発売された。
最強のウェイトレスを決めるアダルト美少女格闘ゲーム『ヴァリアブル・ジオ』シリーズの
アドベンチャーゲームバージョン。

(※2)『ボディハッカー』
2000年4月に美少女ゲームブランドの、くるみから発売された。
憑依能力を手に入れた主人公が、ヒロインの身体を乗っ取り
秘密を探っていくアドベンチャーゲーム。

(※3)『ガッデーム&ジュテーム』
2004年4月に美少女ゲームブランドのCIRCUSから発売された。
milktubはOPテーマの『ガッデーム&ジュテーム』で作曲を担当している。
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『エーデルワイス』
2006年12月発売。
OVERDRIVEのデビュー作。
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「面白そうなことがあったらとりあえずやってみよう」を やるのがやるのがエロゲー業界でした

────数年前のお話になりますが『B.G.M Festival』がありました。
ニコニコ生放送で中継もしてかなり大規模なイベントになりましたが、
なぜ開催しようと思ったのでしょうか?

bamboo:「あったら面白いじゃん!」と思ったのがスタートです。
物販とかも含めて、音楽を主体にしたイベントがこの業界になかったので、
「それなら自分で作るか」と計画しました。
7年前にZEPPで2DAYSという、なかなかの規模で開催させていただきました。
しかも野外ライブがあって、夜中のライブもあったりしてそれらをほぼ一社で回しました。
全部自分たちの手作りです。もう何キロか痩せるくらい大変でした。
でも、そのノウハウや経験が後に生きているので、やってよかったです。


────確かに「面白そうなことがあったらとりあえずやってみよう」は、
かなり重要だと思います。

bamboo:この空気感は、コミケが企業ブース誘致を始めた頃に似ていたと思います。
エロゲー業界全体が「チャンスには全部乗っかるぜ!」という感じの空気感です。
当時はまだ若かったので何をしていいのかわからなかったんですけど、
何かやらなきゃという気持ちがすごくありました。
だから必死に色んな広報プランを考えたりしていましたね。

夏の暑い日に、『カナリア』の発売記念イベントで、
原画家の片倉さんにサインを数百枚描いてもらって配ったりしました。
路面でサインを配るなんて今じゃ絶対許されないですよね。

ニコニコ動画が登場した時も、ドワンゴのニコ動の担当者に
「エロゲーのOPをアップしてもいいですか?」って聞きに行ったら、
「どうぞ!」って言われました。「え? いいんだ!」ってびっくりしました(笑)

勢いがある頃は、「面白そうなことがあったらとりあえずやってみよう」を
やるのがやるのがエロゲー業界でした。
色んなことが緩かったということもあり、面白い時代でもありました。
フロンティアスピリットというか、なんでも自分たちでやるということが
エロゲー業界的には当たり前でした。
常にそういうフロンティアスピリットの中にいる。
今はだいぶそういう意味ではエロゲー業界の元気はなくなってしまいましたが、
生き残っているところは、今もそういうスタンスでいるんじゃないかなと。
結果として、それが「この業界が面白い!」に繋がっているんじゃないかと思います。



────フロンティアスピリットがあるエロゲー業界の成長に合わせて、
OSのwindows95、98、2000、XPとインターネットが浸透してきたことで、
出来ることが増えたんじゃないですか?

bamboo:当時ですが、体験版のダウンロード配布ができるようになったのは画期的でした。
それまではディスクを作って配らないといけなかったので。
エロゲーはコミュニティビジネスみたいなところがありますけど、
もし20年前にTwitterなどがあったら、もっとやれていたと思います。
Twitterみたいなツールもなかったし、そもそもスマホがなかったですからね。

新作の『MUSICA!』はweb上でもプレイできる仕様にしています。
例えば、TwitterにそのURLをツイートし、ユーザーがクリックしたら
その場でプレイすることも可能です。
ちなみに、『MUSICA!』はMacユーザーもプレイ出来るようになっています。
これで(クラウドファンディングの)支援がすごく伸びました。

今の時代は、ネットでトークショーなどをやることが出来ます。
20年前ぐらいの当時は、とにかくイベントに参加したり、巡業で地方を回ったりしていました。
その都度お客さんが入ってくれるか不安でした。
昔に比べると、サービスや宣伝の仕方が変わってきていると思います。


※1:美少女ゲームメーカーによる「美少女ゲーム音楽縛り」なライブイベント。
B.G.Mは美少女ゲームミュージックの略称である。
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クラウドファンディングは、ユーザーとの関係性や信用などに重要さを感じました

────『MUSICA!』のクラウドファンディングが目標額を達成しました。
おめでとうございます。

bamboo:一ヶ月くらいかかると思っていましたが、31分で達成しました。
想像以上のペースでしたね。おかげさまでストレッチゴールも達成したので、
今支援していただくと支援者全員(一部コース除く)に、瀬戸口廉也の
書き下ろしの小説がおまけに付いてくるようになりました。



────ファンの熱意が感じられますね。

bamboo:クラウドファンディングは、ユーザーとの関係性や信用などに重要さを感じました。
ちゃんと「クラウドファンディングを使ってよかったな」と思わせるようなギミックや
アイデアを試しながら、ファンと共に成功体験を積み重ね、反省会をしてきました。
なので、うちのファンはクラウドファンディング慣れはしていて
「クラウドファンディングやりたいんだけど」と言うと積極的に参加してくれます。
ただ、支援をして商品を受け取らないという方もたまにいて。
気持ちはとてもありがたいのですが、超迷惑なんでやめて欲しいですね(笑)



────時間が空くと、支援したことを忘れてしまう人もいるかもしれませんね。

bamboo:だから、うちは飽きさせないようにCAMPFIREの活動日誌を、
更新頻度を高めにしています。
支援した人が発売までの間も楽しめるように、シナリオライターの瀬戸口の文章や、
原画家のすめらぎ琥珀の絵などを、支援者限定になっちゃうんですが公開しています。
今はこの支援してくださった方々を満足させることが、最優先事項。
次も支援したくなるような、面白いサービスを提供し続けていく。その積み重ねです。



────その結果、現在では88,551,602円まで伸びています。(2018年9月13日時点)

bamboo:9000万までいきたいなと思っています。(2018年9月27日に「9000万」達成)
時々「なんであんなに集まるんですか」って、クラウドファンディングをやっている人から
訊かれることがあるんですけど、ちゃんと準備しなきゃダメです。
うちも準備に5年かけましたから。



────クラウドファンディングを利用しようと思ったきっかけは?

bamboo:『僕が天使になった理由』が発売された時に、
違法アップロードされていたんですよ。これがめちゃくちゃ被害が大きかった。
流通さんから借りた分が返しきれなくて、
いよいよこれは会社も終わりかなと思っていたら、色んなメーカーさんが
「お前はまだこの業界にいるべきだ!」って助けてくれたんです。

それから、真面目に資金調達について考えないといけないなと思っていた時に、
クラウドファンディングのことを知りました。
Kickstarterの記事を見て、こういう機能(クラウドファンディング)が
日本にあったら助かるのかなと思ってたら、CAMPFIREやReadyforがサービスし始めたので、
研究してみようと思ったのがスタートです。



────新しい資金調達プランとして考えていましたか?

bamboo:そうですね。当時、ディファ有明でライブイベントがあって、
その配信をニコ生でやりたいと思っていたんです。
でも、事情があってニコ生配信ができなくなってしまいました。
どうにかして遠方の方にもライブ映像を届けたいという思いで、
ライブDVDを作ることにしたんです。
そこで、まだあまり認知されていなかったクラウドファンディングを
使ってみることにしました。
ファンのみなさんに「こういう仕組みがあるんだけど、どう?」という感じで
支援を募ったら、目標額を集めることができました。
それをきっかけに色々と試してみて、一通りのクラウドファンディングで目標額を
達成することができました。

難しい言葉はなく、わかりやすくその仕組みを利用してもらい、 そのサポートをするのが自分たちの仕事です

────そこから、CAMPFIREの顧問に?

bamboo:いろんな案件をやって、1億円くらい集めた時にスカウトされたんですよ。
アニソン業界の飲み会に行った時に、CAMPFIREの悪口という名目の改善点を話していたんです。
そうしたら、目の前にCAMPFIREの役員がいて(笑)
でも、そこで引いちゃいけないと思って直接話をしていたら、
CAMPFIREの代表と会うことになりました。
実際に代表の方に会って改善点の指摘や色々と要望を出していたら、
「顧問になってください」と言われて、そこからCAMPFIREの顧問になりました。



────CAMPFIREに参加するようになってみていかがですか?

bamboo:まず、僕自身がキュレーター(※1)として、
専門的じゃない言葉や一般的じゃない単語などを誰にでも伝わるようにしていきました。
次に、クラウドファンディングの大きな魅力である「自分のやりたいことを実現するチャンス」を
作るために、どんな人でもお金を集めることが出来るという部分を伝えていきました。
例えば、コンビニで働いている人が「面白いことを閃いた」という時に
クラウドファンディングを使えば「実現できるチャンス」を作ることが出来ようになったら
最高じゃないですか。
難しい言葉はなく、わかりやすくその仕組みを利用してもらい、
そのサポートをするのが自分たちの仕事です。

クラウドファンディングは、プロジェクトや支援を募る人によっても見せ方が変わって
きますので、支援者に対して、わかりやすく伝えなければいけません。
そういった部分も含め、キュレーターとしてプロジェクトを
達成に導く方法を常に考えています。



────最後になりますが『MUSICA!』は本当にOVERDRIVEの
最終作になってしまうのでしょうか?

bamboo:一応最後にしようかなと思っています。
会社は畳みませんけど、OVERDRIVEというブランドでゲームを作るのは最後。
ただ、支援が集まり過ぎたら撤回するかもしれません。
その場合は新OVERDRIVEか、元祖OVERDRIVEで始まります(笑)

『MUSICA!』は日本語だけではなく、英語版もSteamを使って世界同時発売を
計画しています。日本以外でもユーザーがプレイ出来ることにより、
違法アップロードも少なくなると思っております。

今回、クラウドファンディングの支援者によって、色々なチャンスが生まれてきました。
そのチャンスを生かして、色々な実験をしたり「面白いこと」に挑戦していきたいと思います。
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取材後記

常にファンと向き合い続け、美少女ゲーム業界の別の道を開拓し続けてきたbamboo氏。
会社の仲間やファンとの関係の積み重ねが、今につながっているのかもしれない。
現在取り組んでいるクラウドファンディングも、
美少女ゲームのビジネスを改革するための新しい試みだったようだ。
ここまで5年の歳月をかけて準備してきたという『MUSICA!』開発プロジェクト
──どこまで伸びるか楽しみだ。
取材・文=かいちょ(cicoly)

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かいちょ かいちょ

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